悪夢

夢 - 悪夢

濃い血の匂いが、 一気に鼻を突きました。

視界に映るものすべてが、 血に染まっていました。

私は、 広がる血溜まりの中に立っていました。

そしてその血溜まりの上には、 いくつもの影が倒れていました。

それが誰なのかを、 はっきりと認識した瞬間――

強い吐き気に襲われ、 私は地面に膝をつき、 えずき始めました。

彼らは…… 彼らはみんな、 私の力が足りなかったせいで……。

私は彼らを守れなかった。 救うことができなかった。

突然、 無数の視線を感じました。

血溜まりに倒れていた彼らが、 一斉に目を開いたのです。

赤く染まり、 血の涙を流す無数の眼が、 私を見つめていました。

「全部、お前のせいだ」

その言葉が、 何度も、 何度も耳に響きました。

「ごめんなさい…… ごめんなさい…… ごめんなさい……」

その視線に晒されながら、 私はただ、 謝り続けることしかできませんでした。

何もできなかった。

そのとき、 血溜まりの中から、 無数の黒い手が伸びてきて、 私の身体に絡みつきました。

抵抗することはできず、 私は少しずつ、 血溜まりの中へと沈んでいきました。

息ができない。

苦しく、 息が詰まる感覚だけが、 はっきりと伝わってきました。


その夢に驚いて目を覚ました私は、 しばらく、 現実を受け止めることができませんでした。

過去の出来事が、 次々と頭の中を巡ります。

――忘れられるはずがありません。

私なのです。 すべては、 私のせいなのです。

「……ごめんなさい」

私はベッドの上で、 膝を抱え、 身体を縮こまらせていました。

震えが止まらない私は、 ただ、 謝り続けることしかできませんでした。

無力な私にできることは、 それしかなかったのです。